何故君は人間を食べないのか『仮面ライダーアマゾンズ 最後ノ審判』

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劇場版ゾンゾゾゾ観てきました。

 脚本が小林靖子ではなく『仮面ライダーエグゼイド』の高橋悠也ということでちょっと不安だったのですが、結論から言うと満足しました!!!

別ライターが手掛けることでアマゾンズの世界に深みが増したというか、光属性の脚本家が話に参加したのが正解でしたね。

R指定されていないのですが、なんでR指定されていないのか分からないほどの血みどろ殺戮バトルが見られたのが良かったです。

流石にシーズン2ほどグロくはありませんがそれでも人が死にまくるし仮面ライダーがバラバラになるのでまあ満足といった感じ。

ストーリーは完結編というより夏映画に近いスピンオフっぽい感じで、食用アマゾンを育てているアマゾン牧場での戦いを描いています。

 

結局のところ、エグゼイドと似たような話になっていました。

TVシリーズの時点でエグゼイドとは共通したところが多いのですが、本作においては「経済化されていく生命」という部分が特に似通っていたかなと。

作品のテーマとして「人間のかたちをしているものを食べていいのか」というものがあり、アマゾンは人間態を持つ怪人で、人間に食べられることを幸せなことだと信じ込ませられています。

主人公のアマゾンオメガは「そりゃいたずらに食べちゃダメだろう」とキレるのですが……最終的に自分の命を繋ぐためにアマゾンを食べてしまいます。

ネオアルファはアマゾンを家畜化して食用にしようとします。それは政治家やもの好きな金持ちに取り入るためでもあります。アマゾンはほぼ人肉という扱いなので、作中でも示された通り嫌悪感を抱く人はかなりいて、ネオアルファ自身も食用アマゾンを食べ(ている描写が)ないところに注目したい。(「アマゾンの匂いがする」という台詞から常食しているのではないかとも思うが、パンフを見るとアマゾン細胞を入れているだけなのかもしれない)

アマゾンに近しい存在であるにも関わらず、ネオアルファはアマゾンを嫌悪しているんですね。つまり無意識のうちにアマゾンを忌避するアマゾンであるアマゾンネオになってしまっているのです。

 

で、エグゼイドのラスボスの仮面ライダークロノスはすべての生命を企業が管理することを企んでいて、その実自分以外の存在をゴミだと思っています。生命を企業が管理する目的も自身が経済化された命を握って儲けることにあります。

生命への敬意なしに私利私欲のために生命を経済化しようとする悪役という点でネオアルファとクロノスは似通っていて、それは最終的に頓挫せざるを得ないのだけれど、でも見返してみると「家畜化された動物」という既に完了した生命の経済化を物語に投げ込んだネオアルファはエッジの利いた悪役かな、と。

「ネオアルファや食用アマゾンは不要」という感想も見受けられますが、自分はそうは思っていません。「生きるために誰かを殺す」というテーマを描いてきたドラマ版への返答として、「誰かを生かすために死ぬ」というものを持ってきたのは作品世界に深みを与えていると思います。

 

これはアマゾンズ全般に言えることですが、物語に信賞必罰を求める人間には向いていません。

テーマ的に反している肉マズジジイや水澤のババアに罰が当たらないのに怒る人はいるだろうし、水澤のババアに関しては完結編まで大勝利エンドじゃねーか!あれほどのことをやっておいて!

まあシーズン1から続いてきたアマゾンアルファの復讐にピリオドが打たれたというところはあるので、ベリアルの視点から見たウルトラマンジードくらいには完結編といえば完結編なのかもしれません。

 

ところどころレーティングに配慮しているであろう部分が見え隠れして歯がゆい気持ちになりました。

具体的にはアマゾン肉をそれとわかるように食べるシーンがないとかアマゾンの解体シーンがボカされているとかネオアルファが怪人と仮面ライダーにしかチェーンソーを使わないとかそういうところですね。

そもそもこの話完全に大人向けなのに何故頑なにR指定を回避したがるのか……?

「R指定だったらめちゃくちゃ面白かったのに……!」と何度も何度も思いました。

 

 

アマゾンズは「ローガン」「デッドプール」がいけるアメコミ映画好きにもおすすめできるので洋画勢もどうぞ。

ただやっぱり精華としてはシーズン2が一番だったと思います。

めちゃくちゃ気合いの入ったグロ描写と「生きてはいけない存在が生きる」というストーリーは本当に面白い。

「そうはいってもジャリ番でしょ」という気持ちを捨ててアマゾンプライムでシーズン2を観て2話でドン引きしてくれ……