アメコミ界きってのイケメンがスパイする「グレイソン」

 

グレイソン (ShoPro Books)

グレイソン (ShoPro Books)

 

 DCのアメコミ「グレイソン」を読みました。

 グレイソンとは何ぞや?という人もいるかもしれません。

グレイソンはバットマンの初代相棒のロビンで、独立してナイトウィングというヒーローをやっている青年です。

元々はサーカス団員でしたが、両親を殺されて天涯孤独の身となったところをバットマンに引き取られ相棒となったというオリジンがあります。

そのルックスとバットマンを補佐する性格の良さからアメコミ界きってのイケメンと呼ばれており、女性人気が高いキャラクターでもあります。

映画ではバットマン3・4作目に出ています。ダークナイトシリーズやDCEUには出ていないので今はちょっと馴染み薄いかもしれません。

そんなグレイソンがいろいろあって(表向きは)死んだことになって、陰で謎の組織のスパイとして活躍するのがこの作品です。

 

顔がぐるぐるしてる男やら銃口が目がわりの男やらけったいなものが出てくる「キングスマン」「オースティン・パワーズ」のような荒唐無稽なスパイものを踏襲しており、グレイソンの爽やかな性格もあって、暗くシリアスと思われがちなバットマン関連ではかなり軽妙な一作となっています。

冗談の一つも言わなさそうなバットマンとは違って、グレイソンは軽口を叩き女性の扱いもうまい。どちらかというとスパイダーマンなどのマーベルヒーローに近いやつです。

ただ、軽妙とはいっても人が死んだりベッドシーンがあったりはしますが(それでもそこまで過激というわけではない)。

任務とあらば人を殺し裏切りも息を吐くようにする血も情けもないスパイの世界に、高潔なスーパーヒーローとして長年活躍してきたグレイソンが飛び込み、その違いに悩むというのが面白い。

特に3章に色濃く出ていて、複雑な事情を抱えたヴィランにグレイソンはスパイの流儀で挑むのか、それともスーパーヒーローの流儀で挑むのか、そしてもたらされる驚きの結末でハラハラドキドキさせられます。

 

アメコミとしてのコマ割がかなり「うまい」のも特徴。

任務を写真という形で1つの大コマの中に入れたり、グレイソンの動きを地図形式で追跡したりと冒険しているようなコマ割がありつつも、ものすごく読みやすいんですよ。

映像のような流麗なヴィジュアルは本当に唸らされてしまう。

アメコミといえばコマ割りがカタいのが……と思っている人は読んで驚いてほしい。

 

1話完結になっていて、お試しで読むにもおすすめできるのも強み。

ちょっとセクシーなものから学園ものまで幅広く取り揃えてあるので、リーフ1冊分の短編をさっと読みたいときに最適でしょう。