勝手に闘え!「貞子VS伽椰子」

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「コワすぎ」「カルト」の白石監督最新作にして「バットマンvsスーパーマン」「シビル・ウォー」に続くヒーロー対決映画のトリを飾るタイトル。

 アマゾンプライム入りでなぜかトレンド入りを果たしたホラー超大作です。

 

 

日本のホラーを代表する2名の怨霊による対決を、「コワすぎ」の白石監督が描き出したホラー超大作

ホラー超大作。

大切なことなので強調しました。

角川40周年記念だけあって、画が豪華。

「コワすぎ」では安っぽいCGが多用されていましたが、本作ではそんなことがなくあまり違和感のない映像に仕上がっていて白石初心者でもすんなり入っていけます。

 

あまりにイロモノな企画のようですが、実際は正統なホラー映画。

安っぽいCGというわかりやすい笑いどころが抜き去られているせいか、恐怖シーンの完成度が半端なく、また、「リング」のビデオによって呪いが拡散していくネットロア的な恐怖と「呪怨」のクラシカルな館ものとしての恐怖をしっかり描いている。

 

シリーズを見ていると先が予想できてあまり面白くないが、お決まりのいかにもな霊能力者が出てくると一変。

工藤みたいな暴力除霊を開始するも貞子に敗北し、死の間際に大物霊能力者呼ぶ→人をなめきった態度の霊能力者コンビ登場という「カルト」で見たいつものコンボが発動。

ここから加速的に白石映画になっていく。

呪いの家で呪いのビデオを再生して貞子と伽椰子を召喚し、共倒れを狙うというヤシオリ作戦よりひどい作戦を実行しにかかるのだ。

そう、「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ」をガチで実行するのである。

 

尊大な態度の霊能力者、暴力除霊、「コワすぎ」で見た髪の毛のマジックアイテム、貞子の髪をむしり取って封印を経て、物語は路上幽霊プロレスという誰も思いつかない展開、そしてAVPっぽい衝撃のオチへと一気になだれ込む。

 

この、2大ヒーローの不滅を謳いあげた終わりが最高だった。

やっぱ商業化されたモンスターの扱いは、こうでなくちゃ!

実際に考えたらどっちも勝手に闘って滅べと思いますが、ムービースターとしての「不滅性」がホラー映画としてのオチと合致していて素晴らしい。

 

スタッフの解釈はどうもゴジラガメラのようであり、映画の構成もリングパートと呪怨パートを交互に描き、終盤でクロスオーバーさせるというVSものの怪獣映画(ガメラやギャレゴジなど)に近いものになっている。

また、作中でも語られているが「怪異がミームとして人々に伝播し無差別に呪いを振りまく」という構造は、白石ユニバースで語られる「異界の神々がミームとして伝えられる怪異に乗り移り現界する」という設定に近しい。

 

今ではよくわからないものとなりつつある「ビデオ」という点にこだわっていたり、急に訪れる呪怨の脅かし方をコピーしていたりとオマージュも豊富で、双方のこれまでの世界観とは完全にパラレルになっているのにも関わらず、スタッフのモンスターへの愛情を感じられる作品。

 

とはいえ、いつものトンチキ映画かと思いきや意外と怖くできている作品なので、油断なきよう。

さあ今すぐタブレットで、スマホで、テレビで、二大モンスターの対決を見届けよう。

 

 

 

 

 

 

あと無責任なことを書きますが、この映画のベストな鑑賞方法は4DXです。

おどかしどころで椅子が揺れたりめちゃくちゃ水がかかったり突然ゴミの匂いがしたりするので、アクション映画よりかなり臨場感があってアガります。

4D上映はアメコミ映画よりも、こういうホラー映画の方が強いなと実感させられました。

リバイバル上映があった際は是非お試しください。