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Vシネ任侠ものを受け継ぐ一作「闇金ドッグス4」

 

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ガチバンシリーズのスピンオフである闇金ドッグスの4作目です。

 

 

知られざるヤンキーものの大河シリーズであり、窪田正孝斎藤工ら有名俳優の登竜門的ポジションにあるガチバンシリーズ。

そのスピンオフが、ヤクザから闇金業者に転職した安藤忠臣(山田裕貴)と元ホストの須藤司(青木玄徳)を主人公とした闇金ドッグスシリーズです。

きたないゴーカイブルーおバカな仮面ライダーデュークがメイン出演するため、特撮マニアにもおすすめできるシリーズです。

3まではamazonプライムビデオで配信されているので、気になったらそこら辺から観るといいかもしれません。

タイトルからすると闇金ウシジマくんのようなシビアな金融ものを連想させられますが(実際かなりシビアだが)、実際はVシネ任侠ものとしての色合いが強く、とりわけ本作はシリーズの中でもかなり任侠もの色が強いです。

 

ヤクザから足を洗い、闇金「カウカウファイナンス」の社長となった安藤。部下の須藤とともに、事業を軌道に乗せていた。

そんなところで、安藤のヤクザ時代の兄貴分にあたる豊田が出所して会社へと訪れる。

安藤はヤクザを辞めた豊田との再会を歓迎するが、豊田は恋に落ちた女性のために安藤から金を借りようとしていた……。

 

本筋はこんな感じで結構暗いのですが、これと並行して安藤の顧客であるAV会社の社長を追うパートが入っています。

ここはシン・ゴジラのパロディになっており、明朝体テロップが矢継ぎ早に表示されそれっぽいBGMが流れ尾藤ヒロミっぽい女性が早口でまくしたてるAV企画会議シーンが挿入されます。

この機動力の高さは小規模作品ゆえのもので、結構高い再現度もあって見どころの一つ。

この辺のパートが、本筋の重苦しさを緩和してもいます。

 

ところが、全く接点を持たなかった豊田パートとAVパートが交差していくにつれ、話は一気に暗くなり。

恋人を拉致され窮地に追いやられた豊田に、安藤が闇金業者としてどのように決断するのかという苦悩が描かれます。

そして、その決断は、ガチバンシリーズから見続けている者にとっては幾分か衝撃的なものでした。(ネタバレのため脚注参照のこと)*1

 

 ここのガチバンシリーズへのオマージュが非常に感動したところで、闇金ドッグスシリーズにガチバンULTRAMAXとガチバンNG2を加えるべきだろう!と強く思いました。

UMを履修しているかいないかでラストの意味が格段に違ってくる作品なのだから。

 

主役の安藤と須藤の板についた演技も必見。

悪役俳優として開花しつつある山田裕貴の、見た目に反して執拗に債権者をひたすらダッシュで追い不気味な声色で恫喝し暴力を振るうこいつ絶対ヤバい感仮面ライダー鎧武では狂ったマッドサイエンティストだった青木玄徳のヘタレでかわいい子分感は本作でも健在です。

近年のガチバンユニバースは主要俳優が有名になりすぎたので本シリーズばかりが作られていますが、安藤役の山田裕貴もハイローや亜人などの映画に出演してメジャーになりつつあるので、最終作となる可能性も少なくありません。

 

加減なく痛々しい暴力描写、人が簡単に破滅していくドライでありつつも時折ウェットな作劇、そして冷徹な金貸しと古き良き任侠の間で揺れる主人公とかつてのVシネ任侠ものを受け継ぐ意志を見せる闇金ドッグスシリーズ。

豪華ではないながらも強烈なこのシリーズを、見逃さないでほしい。

 

 

闇金ドッグス4 [DVD]
 

 

 

 

*1:安藤は敬愛する恩人を射殺してヤクザとなったというオリジンがある。

豊田は恋人をAV女優にしようとしたヤクザを射殺して再び一線を越えようとするが、安藤に止められる。

ここはオリジンがあったガチバンシリーズを意識しており、「恩人を銃で殺して堅気へ戻れなくなった者が、恩人の殺人を止めて堅気の世界に引き留める」という構図になっている。

このオリジンは、闇金ドッグスシリーズでも何度か変奏されている。